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細田初男弁護士が、最高裁判所長官より調停委員として表彰されました。

2016年02月02日

調停委員表彰

当事務所の細田初男弁護士が、2015年10月1日、 最高裁判所長官より調停委員として表彰されました。

川越調停協会祝賀会(2015年12月18日)における、細田弁護士の挨拶文を掲載いたします。

最高裁判所長官表彰受賞の川越調停協会祝賀会における挨拶

細田 初男


本日は、私の最高裁判所長官表彰受賞をお祝いいただきまして、ありがとうございます。

私は、昭和50年に開業しましたが、その頃この地域には適齢期の弁護士がおりませんでしたので、昭和55年、32才で調停委員に任ぜられ、民事・家事の両刀遣いとしてこれまで35年間にわたり調停に携わってきました。

実は私は、生まれも育ちもこの氷川神社のすぐ前ですので、川越地域の司法をしっかりと支えようと常々考えており、特に担い手のいない事件を担当してきました。例えば、所沢にあった富士見産婦人科病院という乱診乱療が問題とされた事件では、女性院長の破産管財人を永らく務めましたし、入間市で宗教法人が倒産した事件では、約2,500名の永代使用権者を守るため、墓地の経営主体の再建に取り組み、今年の6月やっと公益財団法人として復活させましたが、18年かかりました。

こうした次第ですので、私にとって、調停委員を継続することは極めて自然でありました。

刑事でも、やり手のない国選弁護事件など1,000件を超える事件を処理してきましたが、今日はその内からエピソードを一つだけお話したいと思います。それは東京高裁の法廷でした。裁判長は、メーデー事件で無罪判決を出した谷口さんという後に最高裁判事になった著名な裁判官です。無罪を主張する被告人が色々弁明を重ねるのを、谷口さんは法服を腕まくりし、ひな壇から身を乗り出すように真剣に聞いておられました、判決の際、谷口さんの「僕は君の言い分を十分に聞いた。でも君は有罪だ。仕方ないよな。」との言葉を聞いた被告人は「はい。ありがとうございます。」と頭を下げたのです。

この場面には、調停にも通ずる教訓が含まれていると思います。それは「納得のいく結論に至るためには、プロセスが大事だ。」ということであります。
川越の裁判所は、全国のおおよそ1%の事件を処理し、管轄人口は約165万人です。私は、この1%司法を担っていることを誇りに感じ、意義深いことだと考えています。私の任期もあと2年間となりましたが、皆様方と協力して、川越の司法・その中心である裁判所をしっかり支えてまいりたいと思いますので、これまで以上のご厚誼をお願い致します。

本日は誠にありがとうございました。 

 

以上