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刑事事件

家族が逮捕されてしまった。刑事事件を弁護してほしい。被害者との示談を進めてほしい。犯罪被害に遭ったがどういったサポートを受けられるのか。
逮捕勾留が長期化するとその影響は計り知れませんが、早期釈放を求めるには被害者との示談活動など迅速な弁護活動が重要です。また、犯罪被害に遭われた方については適切な法的助言と専門家による支援が不可欠です。

弁護士法人川越法律事務所では、これまで多くの刑事事件を取り扱い、裁判員裁判対象事件といった大きな刑事事件も担当してきました。また、犯罪被害に遭われた方については民事刑事両面のサポートにも力を入れています。

充実した弁護活動や犯罪被害者支援活動をおこなうため、刑事事件に精通した弁護士が相談にあたりますので、ぜひご相談ください。

刑事事件Q&A

捜査段階

警察から犯人と疑われており、「ちょっと聞きたいことがあるから警察署まで来てくれ」と言われています。応じなければいけないのでしょうか。

必ずしも応じる必要はありません。この警察の捜査は、任意に出頭を求めているものですから応じる義務はありません。しかしながら、警察に対してどのような事実について、どのような内容を聞きたいのかを確認した上で、疑われている事実に思い当たる点があるかなどを考えて、逮捕される可能性やその時期、逮捕される不利益を考慮して判断するのが良いでしょう。

 

警察からの呼び出しには応じるつもりですが、仕事が忙しくすぐには行けません。警察の呼び出しに応じないと逮捕されてしまうのでしょうか。

任意の取調べですから仕事が忙しく差し支えがある旨を述べて出頭する時期を変えてもらうことができます。しかし、警察は、裁判官の許可を得た逮捕状がある場合には必ずしも逮捕される人の都合を考えることはありません。

 

警察から「ちょっと聞きたいことからあるから警察署まで来てくれ」と言われています。警察署で取り調べを受けるにあたって、どういったことに注意したほうが良いでしょうか。

警察などの捜査機関から罪を犯したことを疑われている人を被疑者(新聞などのマスコミでは容疑者ということが多い)といいます。被疑者には黙秘権がありますし、取調べを担当する警察官は、被疑者に対し、供述を拒否することができるという供述拒否権を告げる義務があります。取り調べを受けると警察官は供述調書を作成します。これが裁判になった際には、証拠となることになりますから、供述をするには細心の注意を払う必要があります。最後に供述調書が読み聞かされるので、自分の言い分と違う点は訂正を申し出て、訂正を認めてもらうことが必要です。

 

暴力事件を起こしてしまい、何度も警察に足を運んで取り調べを受けています。供述調書にサインするよう言われたのですが、どうも私の言っていることとニュアンスが違います。サインをしても大丈夫でしょうか。

調書にサインをするとこれが裁判の証拠となり、検察官が起訴、不起訴する際の判断資料や裁判での重要な証拠になりますから、ニュアンスが違っている場合には訂正を求めることができます。警察官のいうことに安易に妥協してはいけません。

 

警察から、指紋を採取させてほしいと言われています。これには応じないといけないのでしょうか。

逮捕されていないときには指紋採取に応じる義務はありません。警察官は、逮捕した被疑者からは強制的に指紋採取をできますが、逮捕されていないときには、裁判官が発する身体検査令状が必要です。この令状がない場合は指紋の採取を拒否できます。

逮捕

会社員の夫が酔った勢いで居酒屋の店員を殴ってしまい現行犯逮捕されました。逮捕されるとどのくらいの期間、家に帰ってこられないのでしょうか。

捜査機関は、逮捕された被疑者を3日間(72時間)留置することができます。ただ、逮捕は被疑者が逃走したり証拠を隠したりすることを防ぐためですから、そのような必要がないと判断されると釈放されます。居酒屋の店員を殴ってしまい現行犯逮捕されたときには、怪我の程度が大きくなく、前科がない場合には長期間留置される可能性は必ずしも高くないと考えられます。


被疑者等の身柄拘束の期間について、一般的な説明をします。警察官から送致を受けた検察官の請求により裁判官に勾留が認められると、長期間(最長20日間)留置されます。検察官が被疑者を留置するのは起訴するのか、不起訴にするのかを決めるためです。検察官は、多くの場合、勾留期間内に起訴するかどうかを決めます。起訴されると被告人の勾留ということになり、更に期間が延びます。ただ、被告人の勾留になると後で説明する保釈が認められ、保釈金を納付することによって釈放されることがあります。家に帰ってこられるかどうかは事案(犯罪の重さ)や逮捕された人の性質(前科があるかどうか)などによって異なります。

 

夫が逮捕されました。警察から、私(妻)からも話を聞きたいと言われています。応じないといけませんか。また、どういったことに注意すべきでしょうか。

任意ですから応じないといけないことはありませんが、通常は事情聴取に応じて夫の釈放に有利な内容(夫の人柄、家族の状況、仕事のこと)を話す方が良いと思います。注意するべきことは、自分の知っていることを誠実に話し、嘘を言ったりしないことです。妻は、保釈請求などをする際に、身元引受人になることが考えられますので、捜査機関、裁判所に余計な不信感をもたれることは避ける必要があります。

夫が逮捕されました。弁護士を頼んだ場合、どういった活動をしてくれるのですか。

逮捕された警察署に会いに行って、逮捕された夫から事情を聞いて、法律の専門家として弁護の方針を決めて、被疑者に有利な活動をすることになります。逮捕された被疑者は、厳しい立場に立たされることになりますので、専門家の立場からこれを励ましたり、捜査機関が違法な取り調べをしないようにしたりします。また、不当な身柄拘束がされないように、逃走したり証拠を隠したりすることがないから、身柄を拘束する必要がないと主張します。妻の身元引受書を作成したりすることや、被害者のいる事件であれば被害者と示談交渉をしたりします。

夫が逮捕されました。逮捕された本人ではなく、家族からも弁護士に依頼をすることができますか。

配偶者、直系の親族(父母、子)、兄弟姉妹は弁護人(刑事訴訟で被疑者、被告人の利益のために弁護する弁護士を弁護人といいます)を選任することができますので、配偶者(妻)であるあなたは弁護士に依頼することができます。

彼氏が逮捕されました。家族ではありませんが、私(彼女)からも弁護士に依頼をすることができますか。

先述のとおり、弁護人を選任することができるのは本人と一定の親族に限られていますから、彼女であるあなたは弁護人を選任することはできません。ただ、弁護人になろうとする弁護士は接見することができるので、弁護士に依頼をして留置された警察署に行ってもらうように頼むことはできます。また、当番弁護士という制度もあり、これは交際相手からであっても要請することは可能です。

当社の従業員が逮捕されました。社長である私から、弁護士に依頼をすることができますか。

先述のとおり、弁護人を選任することができるのは本人と一定の親族に限られています。弁護士に依頼をして接見に行ってもらい本人が弁護人を選任する方法がよいでしょう。

前科や前歴があるのですが、その場合でも弁護士に依頼をすることはできますか。

前科や前歴があったとしても弁護士に依頼することは可能です。むしろ、前科や前歴があると厳しい処分が予想されますので、弁護士に依頼する必要性が大きいです。

会社の金を横領してしまいました。まだ逮捕されているわけではありませんが、逮捕される前でも弁護士に依頼をすることはできますか。

できるだけ早く弁護士に依頼することが必要です。被害者である会社が告訴(警察などの捜査機関に対し処罰を求めること)したりしないように交渉したり、告訴された後であれば、告訴を取り下げるように求めて逮捕されたり起訴されたりすることなどを防ぐための弁護活動をしてもらうことができます。

夫が逮捕されてしまったのですが、接見禁止処分が出ていると言われました。弁護士は本人と面会することができるのでしょうか。

接見禁止処分が出ているときでも、弁護人又は弁護人となろうとする者は被疑者と面会することができます。そのため、依頼した弁護士は本人と面会することができます。

夫が逮捕されたのですが、会社には知られてしまうものでしょうか。会社への連絡はどうすれば良いでしょうか。

逮捕され勾留を受けて留置が長くなると会社を休むことになり、そうすると会社に知られることになってしまいます。その場合には、会社に知らせる必要があります。会社との関係は、勤務先がどのような会社であるかによってその対応に困難な問題があります。逮捕されたことにより不利益を受ける可能性があるからです。逮捕された事実、夫が会社でどのような地位にあるかによって事情は異なります。

夫が逮捕されました。保釈されるまでは釈放される方法はないのでしょうか。

前に説明したように逮捕されたとしても逃走したり、証拠を隠したりすることがないということになれば、釈放されます。長期間の留置となる勾留にならないように検察官に申し入れたり、勾留請求を担当する裁判官に申し入れたりする必要性がありますが、その場合には弁護士に弁護人になってもらうことが不可欠です。また、勾留された被疑者には弁護人選任権が告げられ、資力のない場合でも一定の重い事件(窃盗、傷害なども対象事件になっています)については被疑者の請求により裁判所が国選弁護人を選任します。そうすると、その国選弁護人が勾留に対する不服(これを準抗告といいます)を申し立てることによって争うことができ、これが認められると釈放される場合もあります。

 

夫が逮捕されました。すぐに釈放されても前科となるのでしょうか。

その場合には前科にはなりません。前科は、起訴されて有罪の裁判を受けたときです。ただ、前歴といって被疑者として捜査を受けたという経歴にはなります。

交通事故

交通事故の加害者です。運転免許の取消処分を受けたのですが、それでも刑事処分を受けることになるのでしょうか。

運転免許の取消処分は行政処分であって、これとは別に同じ事実で刑事処分を受けることはあります。刑事処分として罰金や懲役刑などに処せられます。

交通事故の加害者です。警察の取り調べを何度か受けて、今度は検察庁に呼ばれると言われました。警察と検察の違いがよくわかりません。それぞれどういう役割なのですか。

犯罪が発生すると、通常は警察官が捜査を行い、犯人を検挙して事件を検察庁に送ります。その際、逮捕された上で送致する場合を身柄付き送検と言いますが、そうでない場合を書類送検と言います。起訴ができるのは検察官だけです。検察官は、送致された被疑者について証拠等を検討した上で、起訴すべきと考えたときには起訴します。起訴すべきでないと判断した場合には不起訴処分をします。これについては後述の「起訴・釈放」で説明します。

 

交通事故の加害者です。警察の取り調べを何度か受けて、今度は検察庁に呼ばれると言われました。それから数ヶ月が経ちますが何の連絡もありませんが、呼ばれるまでに時間がかかるものなのでしょうか。

先述した書類送検の場合、検察官が警察から送られた書類、証拠などを検討した上で、警察官に補充捜査を要請したり自ら捜査をしたりすることもあり、被疑者の言い分を聞くまでに相当の期間を要することがあります。難しい事件などの場合には、被疑者の言い分を聞くまでに1年程度になることもあります。

起訴・釈放

夫が起訴されたと連絡がありました。起訴とは何ですか。どういった場合に起訴されるのでしょうか。

起訴とは、検察官が裁判所に対して、刑事裁判を行って刑罰を科するように求める手続です。被疑者に対し有罪の証明が可能であり、刑罰を科するのが相当であると考えた場合に起訴されます。犯罪の嫌疑が認められない場合や犯罪の重さ、被疑者の性格、年齢、被害弁償などを考慮し起訴しないこともあり、これを不起訴処分と言います。

保釈とは何ですか。保釈の請求をすれば必ず保釈が認められるものですか。

保釈とは、保証金を納付することなどを条件として勾留の執行を停止して、被告人を現実の拘束状態から解放する制度です。起訴されるまでは、保釈は認められません。保釈は裁判所に請求して認められる必要があります。裁判所は、一定の重大な犯罪、重大な前科がある場合以外は原則として保釈を認めることになっています。しかしながら、証拠を隠すなどの疑いがあるなどと判断されると保釈が認められないことがあります。

保釈保証金はいくらぐらいですか。裁判が終わったら戻ってくるのでしょうか。

保釈保証金は、被告人が裁判期日に出頭することや逃亡したりしないことなどを確保するために納付するものです。このようなことから、犯罪の重さであるとか被告人の性格、資産などによって保釈保証金の額が違ってきますが、平均するとおおよそ200万円程度と言われています。被告人が裁判期日に出頭し、裁判が終了したときには、戻ってきます。

刑事裁判

裁判員裁判とは何ですか。裁判員裁判はどういった場合に行われるのでしょうか。

裁判員裁判は、特定の重い犯罪の刑事裁判をおこなう際に、市民から事件ごとに選ばれた裁判員が裁判官とともに審理に参加し、被告人が有罪であるか否か、どれくらいの刑を科すべきかを決める制度です。特定の重い犯罪とは、最も重い刑として死刑や無期懲役が定められている罪(殺人罪、強盗致死傷罪、現住建造物等放火罪)、故意の犯罪行為で人を死亡させた罪(傷害致死罪、危険運転致死罪)です。

執行猶予とはどういう意味ですか。どういった場合に執行猶予が付くのですか。

執行猶予とは、被告人に対する判決を下す際に、一定の期間(これを執行猶予期間といいます)中に、他の刑事事件を起こさないことを条件として、判決の執行を猶予する制度です。執行猶予期間を経過すると判決の効力が消滅することになります。ただ、その場合にも前科となります。裁判所は、犯罪が悪質でないこと、再犯のおそれがないことや本人が反省をしていることなどの情状を考慮して執行猶予を付けるかどうか決めます。被告人の前科や前歴などは執行猶予判決を付するかどうかに大きく影響します。

裁判になった場合、弁護人となった弁護士はどういった活動をしてくれるのでしょうか。

犯罪の成立を争う事件については、検察官が請求する書類等の証拠を検討し、その証拠によって犯罪を認めるに足りないと主張し、検察官の請求する証人に反対尋問をして、その証言の信用性を争います。検察官が証拠として提出していない証拠を開示するように求め、被告人に有利な証拠であればこれを証拠請求します。被告人に有利な証拠や証人を収集して取り調べを求めます。そして、最後に、裁判で取り調べた証拠によっては、犯罪の成立が認められない旨主張する弁論をします。
犯罪の成立を認めている事件については、被告人に有利な証拠(被害弁償をしているなど)を提出し、被告人が十分に反省し今後犯罪をしない旨誓約するなどして、刑の執行猶予を求め、実刑判決を受ける場合でも刑を軽くすることを求める活動をします。

刑事事件被害者

私は刑事事件の被害者です。被疑者の弁護人から示談をさせてほしいと連絡がありました。示談金の相場を弁護士に相談することはできますか。また、自分が直接やりとりをするのは嫌なので、交渉を弁護士に依頼することができますか。

示談金の相場を弁護士に相談することもできますし、自分で直接やりとりをしたくないと考えたときには被疑者側の弁護人との間で示談の内容を交渉し、示談契約書を作成してもらうことができます。

私は刑事事件の被害者です。民事の賠償金を請求したいのですが、弁護士に依頼することはできますか。

刑事事件で被害を受けた場合には、その加害者に不法行為責任があると思われますので、民事の賠償金を請求することができます。その場合、弁護士に依頼して、交渉をしたり損害賠償請求の民事訴訟を起こしたりすることができます。また、傷害などの故意に基づく犯罪では被告人が起訴された刑事裁判所に対して、損害賠償の裁判を求めるという刑事損害賠償命令制度もあります。これは、刑事事件を担当した裁判所が、有罪の言渡しをした後、引き続き損害賠償請求についての審理も行い、加害者に損害の賠償を命じることができるという制度です。刑事手続の成果を利用することにより、刑事事件とは別の手続で民事訴訟を提起することに比べ、犯罪被害者の方の立証の負担が軽減されます。

私は刑事事件の被害者です。被害者参加制度というものがあると聞きました。どういった制度でしょうか。

犯罪の被害者、その遺族などが被害者参加人として刑事裁判に参加し、検察官と密接な関係を持って、公判期日に出席し、被告人質問等一定の訴訟活動を自ら行うことができる制度です。参加することができるのは、殺人、傷害などの故意の犯罪行為による事件、強姦罪、過失運転致死傷罪などの被害者あるいは遺族です。この制度を利用して刑事裁判に出席した被害者には、日本司法支援センター(法テラス)から旅費、日当などが支給されます。また、必要に応じて被害者参加弁護士による援助も受けられます。この場合、経済的に余裕のない方のために国が費用を負担する国選被害者参加弁護士制度もあります。