浮気相手に慰謝料を請求したい
コラム2020年09月29日
はじめに
自分の配偶者などが他の異性と肉体関係にあった場合には、それに対する精神的損害について、不貞をしたパートナーや、不貞の相手方に対し、慰謝料請求をすることができます。それだけでなく、不貞行為は離婚原因ともなりますし、離婚の際の財産分与や慰謝料などにおいても、有利な事情となり得ます。不貞行為は夫婦の一方が行った場合というのが多いですが、内縁関係にある場合や、婚約をしている恋人関係の場合などにも不貞行為に当たり得ます。そもそも何が不貞行為に当たるのかという点についてはケースバイケースになりますが、一般には、肉体関係を持ったり同棲していたりといったことが挙げられます。
不貞の証拠収集
裁判を通じて慰謝料を求めていく場合、請求する側がパートナーの不貞行為を証明する必要があります。そこで、以下では不貞の証拠として挙げられる代表的な証拠を紹介します。
① 写真や映像
不貞行為の証拠として強力なのは、やはり写真や映像といった物になります。実際には、パートナーが他の異性と肉体関係にあることを直接撮った写真や映像というのはなかなかないと思いますが、ラブホテルに入る様子であったり、他の異性の家に入っていく様子などの写真や映像も不貞行為の存在を証明するものとして重要な証拠となります。とはいえ、このような写真や映像も尾行でもしない限りなかなか入手することは難しいと思いますので、実際にはある程度怪しい段階で探偵に依頼して撮ってもらうということになります(探偵費用についても裁判で請求して認められることがあります。)。
② 録音テープ
自宅などでの不貞の様子を録音した音声も重要な証拠になり得ます。または、パートナーが会話の中で不貞の事実を認める供述をし、これを録音していた場合にも重要な証拠になり得ます。
③ メール、LINEなどのSNS、日記や手帳など
パートナーの携帯電話やスマートフォン、パソコンなどに残されていたメールやSNSでのやり取り、日記や手帳の記載も、不貞行為の証拠となり得ます。もっとも、これらによって不貞行為の存在を直接証明することは困難ですが、証拠として意味がないことは全くなく、むしろ実際にはこのような証拠を積み重ねることによって、不貞行為を立証していくということも珍しくありません。そのため、怪しいやり取りがあった場合には、写真に撮るなどして証拠として残しておくようにしましょう。
④ 明細や記録、履歴など
クレジットカードの明細やレシートの記録、SuicaやPASMOなどの履歴も、不貞行為の存在を証明する証拠になり得ます。それぞれ単体では証明力は弱いものの、繰り返し同じような記録があったりすれば、継続的に会っていた証明などになり得ますので、怪しいものを見つけたら写真に撮るなどして証拠として残しておくようにしましょう。
⑤ その他
その他、上に挙げていないようなものでも、裁判などで証拠として使えることは十分にありますので、どのようなものでも証拠として残しておきましょう。
証拠収集における心構え
このように、不貞行為の存在を証明するための証拠は、これでなくてはいけないというものはありません。どのような些細な証拠でも、積み重ねることで証明することは十分に可能です。不貞行為に限らず裁判の証拠収集の際に考えるべき点は、重要な決定的な証拠が何かということも重要ですが、何よりも、どのような些細な事実でも証拠としてきっちりと残しておくことということが大切です。
パートナーに不貞行為があって精神的に傷ついても、何もできず泣き寝入りになってしまうことが多々あります。ご自身で抱えて悩むよりも、まずは法律事務所を訪ね弁護士にお気軽にご相談ください。