新年のご挨拶
2021年01月01日
2021年の新春を迎えました。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックが続き、「この先、世界や日本の経済はどうなっていくのだろうか」「ウイルス感染のなかで人類は生き延びていけるのだろうか」など、多くの不安が渦巻くなかで、私たちは日々の生活を送っています。
しかし、ウイルス感染症の因果関係は意外と分かりやすいものです。
人間の食料への需要の高まりが、先進資本主義国の利潤追求と相まって、発展途上国の森林破壊をもたらす。森林破壊により、野生動物と人間が接触し、ウイルス感染が起こる。そして、人と物の動きが大量かつ迅速であるグローバル社会においては、ウイルス感染は急速に全世界に拡大していく、ということです。
私たちは、昔に比べると、近所のスーパーで、外国産の食料を安い値段で購入でき、刺身の盛り合わせ、熱帯の果物など豊かな食卓を享受しています。
皆がパソコンや携帯電話を持ち、インターネットやSNSを利用しています。ネットを見て欲しい本やCDがあれば、アマゾンを使って、翌日には自宅に届きます。ズームという手段を使えば、場所を移動しなくても、動画で会議に参加することもできます。
けれども、このような先進国の利便性ばかりを追求する資本主義経済には限界があったのだと思います。資本主義における利潤追求が、結果として地球環境を破壊し、人類が生存できない地球となるのでは元も子もありません。このことはウイルス感染症だけでなく、地球温暖化問題、気候変動問題についてもいえることです。
私たちは、資本主義経済の限界を認識して、地球環境が持続可能になるような経済社会を展望していく必要があるでしょう。
人類の英知は、コロナ危機を乗り越えるものと信じつつ、今年も、日々の弁護士業務のなかに喜びを見いだす法律事務所でありたいと思います。